気象庁は1月23日午前9時59分の草津白根山噴火とほぼ同時に、火山性微動(マグマや熱水の動きを示す)を観測していたにもかかわらず、「噴火速報アラート」を事前に出せなかったことを明らかにしました。その理由を調べてみました。
(写真は白根山湯釜火口)
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♦草津白根山、気象庁「噴火速報アラート」発表なかった理由、わけは?
1月23日、午前9時59分、草津白根山が噴火。
噴石が約1キロ飛散しました。
草津国際スキー場の近くとあって、
停電でゴンドラが止まり、山頂の駅舎に
一時80人が取り残されました。
また、飛んできた噴石などで
相馬原駐屯地、陸上自衛隊
第12ヘリコプター隊の隊員8人がケガを負い、
そのうちの1人、49歳の男性が
搬送された病院で死亡が確認されました。
一般の人もケガをしており、
1人が死亡、6人が重傷、5人が軽傷ということです。
このような事態が起こる前に、なぜ、
気象庁は「噴火速報」を出せなかったのか。
2014年、御岳山噴火で58人もの方が亡くなったことを
教訓として2015年に導入された「噴火速報」。
スマートフォンでも受信できるので
登山者やスキー客、周辺地域の人々へ
迅速に知らせることができるというもので、
この度の草津白根山も監視対象に含まれていたそうです。
この「噴火速報」が出せなかった理由を
気象庁の話しとして産經新聞が
以下のように報じています。
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♦気象庁は噴火とほぼ同時に、火山性微動(マグマや熱水の動きを示す)を観測していた。
草津白根山噴火は23日午前9時59分。
気象庁は、ほぼ同時に火山性微動(マグマや熱水の動きを示す)を観測していました。
加えて草津町などから、噴煙や噴石の目撃情報が伝えられていたそうです。
気象庁が設置していた観測機器や監視カメラの設置位置が、
別の火口だったため検証に時間がかかったとの話しでしたが、
これは、草津白根山の火口がひとつではなく、
複数の火山でなりたっているため、
主要な火口である「湯釜火口」に集中して観測していたことがわかりました。
「空振」という爆発的噴火時に観測されるものも確認できず、
噴火と断定できなかった、とも報じられています。
気象庁の斎藤誠火山課長は記者会見の席で
「観測された火山性微動が火山噴火に伴うものか判断できなかった。残念ながら速報が出せなかった」と話しています。
今回噴火した本白根山の火口には
設置されていなかった監視カメラなどの観測機材。
すべての火口に設置というのも難題だとは思いますが、
亡くなられた方へご冥福をお祈りいたします。
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